【によって与による区别】「によって」と「による」は、日本語でよく使われる表現であり、どちらも原因や手段を表す助詞として使われますが、使い方に微妙な違いがあります。この記事では、「によって」と「による」の違いを分かりやすく説明し、それぞれの用法と例文を紹介します。
まとめ
項目 | によって | による |
意味 | 原因・手段 | 原因・理由 |
文型 | Aによって(Bが起こる) | Aによる(Bが起こる) |
主語の位置 | Aが主語 | Aが主語 |
例文 | 病気によって死んだ。 | 病気による死亡だった。 |
使用感 | 自然に使われる | やや文語的・正式な表現 |
詳細説明
1. によって(によって)
「によって」は、ある行動や状態が他の物事によって引き起こされたことを示します。つまり、「AによってBが起きる」という構造になります。
- 例文:
- 病気によって彼は死んだ。
- 彼の努力によって、プロジェクトは成功した。
- テレビによって情報を得た。
このように、「によって」は「原因・手段」を表し、文脈上「AがBを引き起こす」という関係性が明確です。
2. による(による)
「による」は、前件の内容が後件の原因であることを示します。ただし、「によって」よりも少し形式的で、文語的な印象があります。また、「による」は名詞句の後に使用される傾向があります。
- 例文:
- 病気による死亡だった。
- 事故による損害は大きい。
- 経済成長による利益が生まれた。
この場合、「病気による死亡」というように、「病気」が「死亡」の原因であることを強調しています。「によって」よりは抽象的で、結果を述べる際に使われることが多いです。
使い分けのポイント
- 「によって」は、自然な会話や日常的な文章で使われることが多く、動詞や副詞と組み合わさることが多い。
- 「による」は、文語的・正式な表現で、名詞や形容詞と組み合わせて使われることが多い。
練習問題(選択式)
次の文の中で、「によって」を使うのはどれですか?
1. 病気______死んだ。
2. 病気______死亡だった。
3. 私______仕事をした。
4. その事件______起きた。
正解:1, 3
まとめ
「によって」と「による」は似たような意味を持ちますが、文法的構造や使用場面に違いがあります。「によって」は原因や手段を表し、自然な表現として使われます。「による」は原因を示しながらも、やや形式的な表現であり、名詞句との組み合わせが一般的です。文脈に応じて使い分けることで、より自然な日本語表現が可能になります。